日本初となる3Dプリント×RC(3DCP)による2階建て住宅『Stealth House』PJに協賛企業として参画。3D測量・点群データによる高精度な現況把握と品質確認を担当しました

株式会社オノコムが主導する3Dコンクリートプリンターによって「基礎から2階建て構造体まで」を一体的に出力する、日本初の3DCP二階建て住宅を建築するプロジェクト(宮城県栗原市)に当社中核事業子会社の株式会社JFDエンジニアリング(本社:大阪市北区、代表取締役CEO:吉田 慶祐)も協賛企業として参画。

当プロジェクトは設計・施工・構造・ジオメトリエンジニアリングなど、各分野の最前線企業・大学・協賛企業が集結した先端的な取り組みであり、当社も3D測量技術のプロフェッショナルとしてプロジェクトの一翼を支えました。

(株)JFDエンジニアリングが担った役割:3D測量・点群データによる「見える化」と品質確保

JFDエンジニアリングは、3Dレーザースキャナーを用いた外周および内部の3D測量を実施し、施工過程および完成時の建物形状を高密度の点群データとして取得しました。取得した点群データは、設計BIMモデルや3DCP出力データと重ね合わせることで、以下のような検証・活用に用いられました。

・3Dプリントされた壁体の「鉛直・水平精度」の確認
・開口部や設備スペースなど、意匠・構造・設備が一体化した多機能壁の寸法検証
・キッチン周辺部の正確な寸法計測からキッチン追加設備のレイアウト検討
・3D点群をベースとしたウォークスルーやシミュレーションによる、3DCP建築ならではの空間体験の可視化

これらの取り組みにより、3DCPという新工法における「出来形の見える化」と「品質ばらつきの抑制」に寄与するとともに、今後の量産・標準化を見据えた技術検証の一翼を担いました。

3Dプリンターで建築された住宅を3Dレーザースキャナーで計測(点群データ画像)

キッチン周辺部のようす(点群データ画像)

多層階3DCP建築と3D測量のシナジー

本プロジェクトでは、従来のRC工法と比較して、型枠工事の削減や現場工程の集約、曲線・複雑形状への対応など、3DCP特有のメリットが提示されています。
一方で、多層階建築としての安全性・再現性を担保するためには、施工結果を客観的かつ高精度に計測・検証する仕組みが不可欠です。

JFDエンジニアリングは、これまで培ってきた住宅・店舗・インフラ分野での3D測量ノウハウを背景に、3DCP住宅に対しても同様の品質検証フローを適用。点群データを活用した「現況のミリ単位の可視化」によって、3Dプリンター建築に求められる精度・再現性の確認プロセス構築に取り組みました。

今後の展望:3DCP × 3D測量 × デジタルツインのシナジー効果創出

今回のStealth Houseプロジェクトを通じて、JFDエンジニアリングは、3DCP住宅と3D測量・点群技術を組み合わせることで、

・設計~施工~維持管理まで一気通貫で活用できる「デジタルツイン」の基盤づくり
・多拠点展開や量産時の品質標準化・工程短縮のためのフィードバックループ構築
・将来的な商業施設・集合住宅・災害仮設住宅などへの3DCP応用に向けた計測・検証プロトコルの整備

といった可能性を確認することができました。
JFDエンジニアリングは、今後も株式会社オノコムをはじめとするプロジェクト関係各社と連携し、3Dプリンター建築および3D測量・点群技術の社会実装を通じて、建設業界の生産性向上と新たな建築のかたちの実現に貢献してまいります。


■ 会社概要
会社名:株式会社JFDエンジニアリング
所在地:〒530-0003 大阪府大阪市北区堂島2丁目1-31 京阪堂島ビル5階
TEL:06-6690-8353 FAX:06-6690-8354
E-mail:jfd-info@jfd.jp

■ 本件に関するお問い合わせ先
株式会社JFDエンジニアリング
担当:測量テック事業部 佐藤 TEL:06-6690-8353
E-mail:t.satou@jfd-gr.co.jp